振袖と着物の違いって?着物の種類と特徴紹介♡
2022.06.27
振袖とは
振袖と着物って何が違うの?という質問を受けることがありますが、振袖や留袖、訪問着などの総称が「着物」です。
主な違いはお袖の振り丈の長さですが、ここで着物の種類について解説いたします。
まずは着物について。
着物には着ていく場所や目的によって、着て行ける着物の種類、帯や小物のコーディネートなどの決まりがあります。
これは洋服と同じで、フォーマルとカジュアルがあるということです。
まずは、着物と帯の種類についてご説明いたします。
- 振袖
華やかな総模様と長い袖
未婚女性の第一礼装
⚪️特徴
袖の長い華やかな模様の振袖は、未婚女性の第一礼装です。紋をつけるのが正式ですが、振袖は紋がなくても礼装になります。着物全体に描かれた華やかな絵羽模様は、若い女性の晴着としてふさわしい着物です。
原型は室町時代の「小袖」と言われ、江戸時代になって袖丈が長くなったのが振袖で、「振りのある袖」という意味です。
袖の長さによって大振袖、中振袖、小振袖に分かれ、長いほどフォーマルになります。
⚪️小物合わせ
帯は格調の高い袋帯を締め、刺繍の半襟、総絞りの帯揚げ、幅の広い組紐や丸ぐけの帯締めなどを合わせます。
- 黒留袖
比翼仕立てで染め抜きの五つ紋
既婚女性の第一礼装
⚪️特徴
江戸時代、元服のときに振袖を切り、「袖を留めた」ことから留袖と名付けられました。
ミセスの第一礼装で、結婚式や披露宴では仲人や新郎新婦の身内は黒留袖を着用するのが一般的です。
「裾模様」といって、帯から下だけに模様が入っています。背中心、両胸、両外袖の5ヶ所に染め抜きの日向紋を入れるのが正式です。
下にもう一枚別の着物を着ているように見える「比翼仕立て」になっているのも特徴です。
⚪️小物合わせ
帯は金銀地で織った格調の高い袋帯を合わせ、二重太鼓に結びます。長襦袢、半襟、帯揚げ、帯締め、足袋は白で統一し、金銀地で黒骨の扇子を必ず持ちます。
- 色留袖
未婚女性も着られる第一礼装
地色を黒以外の色で染めた留袖
⚪️特徴
黒以外で染めた留袖のことを色留袖と呼び、黒留袖と同格の第一礼装です。
正式には五つ紋を入れますが、略式の三つ紋や一つ紋にすることもあります。
黒留袖との大きな違いは、未婚女性でも着られる点で、身内以外の結婚式や、正式な訪問など、一枚持っていると幅広く着られる着物です。最近は、比翼仕立てにしないで伊達襟を合わせることも多いようです。
⚪️小物合わせ
帯、長襦袢、半襟などの小物合わせも黒留袖と同じです。パーティーなどのときなら、帯揚げ、帯締めを淡い色ものにしても良いでしょう。
- 訪問着
華やかな地色と絵羽模様、年齢や場面を問わず幅広く着られる着物
⚪️特徴
訪問着は既婚、未婚の区別なく着ることのできる準礼装の着物です。
縫い目をまたいで模様付けされる「絵羽模様」が特徴です。
仮仕立てをした着物に下絵を描き、それを一度ほどいてから染めます。衿、肩、裾にひと続きに展開された模様はとても華やかです。
三つ紋か一つ紋をつけておくと、より格の高い装いになります。
⚪️小物合わせ
帯は袋帯や格の高い名古屋帯を締めます。
伊達襟、帯締め、帯揚げは、着物や帯に合った色を選び、半襟は正式な場所なら白を。
- つけ下げ
訪問着を略した着物
上向きに配された模様付けが特徴
⚪️特徴
着物を着たときに、模様がすべて上向きになるように、模様をつけ下げたところからこう呼ばれています。
訪問着とほとんど同格で、着て行ける場所も同じ。
反物の状態で、仕立てたときに模様がすべて上向きになるように描きます。
戦時中に、華やかな柄づけの訪問着が禁止されたときに、絵羽模様の代わりに考案された模様付けの方法です。
最近は訪問着に近い華やかなつけ下げも増えています。
⚪️小物合わせ
訪問着と同じように小物合わせをします。TPOに合わせて小物の格も揃えます。
- 色無地
一色で染められた無地の着物
着られる場所は帯や小物のコーディネート次第
⚪️特徴
模様を入れずに、黒以外の一色で染めた着物が色無地です。
五つ紋、三つ紋をつけると、訪問着より格が上の準礼装となります。慶弔両用で着ることができ、吉事には明るく華やかな色を、凶事にはグレーなどの暗めの色を選びます。
また、生地に地紋のあるものとないものとがあり、地紋の模様によっても慶弔が変わってきます。
⚪️小物合わせ
色無地は、小物によっていろいろな着こなしができます。袋帯や格の高い名古屋帯を合わせると礼装用となります。
と、ここまでフォーマルとセミフォーマルに着用できる着物について解説しましたが、洋服にもフォーマルとカジュアルがあるように、着物にももちろんカジュアルがあります。
浅草など観光地で着物を着て観光している人々を見た事があるかと思います。街着なのでカジュアルな着物です。
例えば小紋、紬、浴衣などですね。
ただ、例えばびっくりするお値段のビンテージデニムがあるように、カジュアルなものですがフォーマルを超えてしまうものもあります。
大島紬、結城紬、黄八丈などが有名ですが、どんなに高級品でもカジュアルなので結婚式に列席する時には向きません。
びっくりするお値段のビンテージデニムを履いて結婚式に列席しないのと同じです。
今回は振袖について解説しますので、カジュアルな着物についてはまたの機会に解説したいと思います。
それでは、振袖について更に深く掘り下げていこうと思います。
前述の通り、振袖の原型は室町時代に元服前の男女が着用していた小袖が始まりと言われています。
それが江戸時代になり、袖丈がだんだん長くなったものを「振袖」、短いものを「留袖」と呼ぶようになったようです。
身八つ口をあけて、振りをつけて仕立てているのが特徴です。
袖の長さによって格が違ってきます。
本振袖または大振袖とよぶ一番袖丈の長いものは110〜120センチあまりもあります。
中振袖とよばれるものは95〜106センチくらいの袖丈です。
小振袖は、振袖といっても短く85センチ前後のものです。
着る人の身長に合わせて袖丈をきめますが、大振袖は着付けて手を下げると、袂の丸みが足のくるぶし辺りまでくる程長い袖です。
中振袖はふくらはぎ辺りまでの長さで、足元から30センチ程上に袂がきます。
小振袖なら膝頭くらいになります。
袖丈が長いほど格が高くフォーマルになるので、一番格が高いのは大振袖ですが、現在ではミスの礼装といえば中振袖とされ、成人式、結婚披露宴など幅広く着られています。
小振袖は気軽なパーティーやお茶会などに向き、大振袖は花嫁衣装やお色直しに用いられます。
振袖の袖を切って訪問着として着る、という話を聞いた事がある方もいらっしゃるかと思います。
実際、結婚を機に振袖を詰めて訪問着にしたという知り合いもいます。
しかし振袖は、初めから華やかな模様をつけることを考えて製作しています。長い袖の美しい模様がポイントとなっているものですと、それを半分に切ってしまっては、せっかくの振袖の美しさが失われてしまいます。
家族や親戚に振袖を着る人がいる場合は、切らずにおきたいものです。
普通の訪問着の袖の寸法に畳んでみて、袖下の模様が切れるとおかしくないかを、よく調べてからにしましょう。
大きい模様の振袖など、切った後中途半端な総模様の訪問着になっては、着る機会が少なくてかえって不経済です。
製作するときから、袖を切ると訪問着になるという振袖があります。
これは模様付けがそのように作ってあるものです。あとは、総絞りの落ち着いた色調のものや、紅型調の小柄、総柄のものなどは袖を切っても目立たないので、訪問着としても充分に役立つので経済的といえます。
また、色無地やぼかし染めの振袖も袖を切って訪問着として着られます。この場合は一つ紋か三つ紋をつけておくと格が高くなり、袖を短くしても役立ちます。最初から落ち着いた色を選んでおくと良いでしょう。
イブニングドレスの裾を切ってしまっても、軽く着られる服になるかどうか、ということと同じで、どちらつかずのものにするよりも、花の年代を飾る華麗な晴着として、なるべく振袖を着る機会をもつようにして、美しいままで持っているのも良いと思います。
お母様やお祖母様の振袖がお家にあるという方は、このように大切に受け継がれてきたものなので、ぜひ着ましょう。
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