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-豆知識系コラム-

実は誰でも似合う万能カラー《青系》振袖

2023.08.12

色とりどりで華やかな振袖ですが、使われている色にも意味や役割があることをご存知でしょうか。色の持つご利益や、色が与えるイメージを知っておけば、自分にぴったりの振袖を見つける助けとなるでしょう。

たとえば、赤は太陽や火の色でもあることから神聖な色とされており、身にまとうことで厄を祓うという魔除けの意味があります。ピンクや桃色は女性らしい可憐さや柔らかさという印象を与えるでしょう。緑は植物や自然を連想させ、穏やかで安定感のある、癒しのイメージを与えることができます。空や海の美しさを連想させる青は、冷静さや知性を意味する色です。

1.青系振袖の起源

青系振袖の起源は、江戸時代に流行した「青緞子(あおどんす)」という生地からきています。青緞子は、青系の縞模様のある生地で、とても高級で贅沢なものでした。当時は、この青緞子を使った振袖を着用することは、一般庶民にはなかなかできないことでした。しかし、明治時代に入ると、新しい染色技術が開発され、より手軽に青系の振袖を作ることができるようになりました。それ以降、青系振袖は一般的なものとなり、現在でも多くの女性たちに愛されています。

青色のイメージは「爽やか」で「知的でクール」で「開放的」さらには 「清潔感」などのイメージを与えやすい色です。いろんなシチュエーションで使用しやすい色となりますので、その時に似合った色で使用できる楽しみが増えていく色と言えるでしょう。どんな大胆な柄も品よく見せてくれる特徴がある為、思い切ったデザインに挑戦が出来る一面も。

成人式の振袖選びに失敗したくないという人に、オススメしたいのがこの青系の振袖です。

2.青系振袖の種類

「青色振袖」は、振袖の中でも特に格式高い色合いの一つであり、日本の伝統的な女性の着物です。青色振袖には、以下のような種類があります。

【 紺地(こんじ)振袖 】


紺色の地に、白や金色の縞模様が入った振袖です。非常に格式が高く、堅苦しい印象を与えます。しかし、清楚な印象を与えるため、成人式や卒業式などのフォーマルな場面にはぴったりです。

【 浅葱(あさぎ)色振袖 】


淡い青色の地に、白や金色の縞模様が入った振袖です。紺地振袖に比べて、ややカジュアルな印象を与えます。しかし、清楚な印象は変わらず、結婚式や二次会、パーティーなどのフォーマルな場面にもぴったりです。

【 水色振袖 】


淡い青色で、細かい花柄が入った振袖です。清楚な印象があり、とても女性らしい雰囲気を醸し出します。春先の成人式や卒業式などにぴったりです。

【 藍色(あいいろ)振袖 】


深い青色で、白い縞模様が入った振袖です。紺地振袖よりも、やや落ち着いた印象を与えます。結婚式や披露宴、パーティーなどにぴったりです。

武士の時代には「縁起の良い色」として好まれ、明治には海外から「ジャパン・ブルー」と称えられ、日本を象徴する色でした。海外でも賞賛される色でもあり、イギリス王室であれば「ロイヤルブルー」が好まれ、結婚式では「サムシングブルー」など、古来よりさまざまな青色が世界中で愛されています。

3.青色のトーン別イメージ

一概に青系とまとめても、さまざまなトーンの青がある為、トーン別イメージや、誰にでも似合うワンポイントなどを紹介します。

青には様々な種類があり、深い紺色から明るい水色まで、その色のトーンによって雰囲気が大きく変わります。伝統的な振袖には、深い紺色や濃いめの青が多く、落ち着いた雰囲気を醸し出してくれます。

濃い青色のなかでもより黒に近い「紺色」は昔から親しまれてきた色です。


紺色は制服やフォーマルスーツにも使われているように着る人を選ばずに、上品で落ち着きのあるイメージを演出してくれます。紺色なら、学校の制服で着慣れている人が多いため、不自然に見えることは少なく、自分が着るとどんなイメージになるのかも想像しやすいはず。黒より少しやわらかい印象がいいけれど、濃い色味の振袖を着たい方や、大人っぽさや上品さを出したい方におすすめ。

濃い青の逆、薄い青にあたる「水色」は爽やかで可愛い印象を感じさせます。


明るく鮮やかな水色はポップで可愛らしく、近年流行の少しくすんだ水色は可愛さと大人っぽさを両立させられる色味です。赤やピンクは苦手だけれど可愛く装いたい、キュートなイメージにしたいという場合は、明るい青色の振袖に愛らしい柄が描かれたものを選べば、ゴテゴテした感じにならず、センスの良い装いになります。水色の振袖はキュートさやポップなコーディネートで青系の振袖を着たい方におすすめです。

ここ最近人気上昇中の「青緑色」があります。


緑の色味が強いものから青の色味が強いものまで幅広くある為、青緑と言ってもまず色被りが起きません。他の人と被りたくない方や、個性を出したい方におすすめ。

くすみ系


洋服でも人気のくすみ系。着物でも同じくさまざまな色合いのくすみ系がトレンド。青系のくすみは、彩度の低いグレーがかった色です。彩度とは、色の鮮やかさを意味します。くすみカラーとは反対に彩度が高ければ、ビビッドカラーのようなはっきりした色になります。グレイッシュなくすみカラーは「ニュアンスカラー」とも言います。くすみカラーが生み出すイメージは「優しい」「やわらかい感じ」といった感じです。落ち着いた色合いで、大人な印象を与えます。日本人の肌となじみが良く、顔色を良く見せてくれるのも特徴です。ベースの色のトーンや柄で印象が変わるので、幅広い人に似合います。小物やヘアスタイルを問わないのも、くすみカラーの着物の魅力です。トレンドを取り入れながらも、透明感や落ち着いた大人かわいさを出したい方におすすめ。

このように青系の振袖といっても、青には様々深い紺色から明るい水色まで、その色のトーンによって雰囲気が大きく変わります。伝統的な振袖には、深い紺色や濃いめの青が多く、落ち着いた雰囲気を醸し出し、一方、明るい水色やパステルカラーの青は、清涼感があり爽やかな印象を与えます。色合いの違いで全く違った印象を与えてくれるのが、青色の魅力。

4.パーソナルカラー別青色の選び方

最近流行りのパーソナルカラーとは、個人に合わせた最適な色の選び方のこと。人の肌の色、髪の色、瞳の色などの自然な色合いに基づいて、似合う色を見つけることで、肌のトーンや骨格などの特徴を引き立たせ、印象を良くすることができます。

温かみのある「イエベ」と涼しさのある「ブルベ」に分類され、更に明るさや彩度などによって4つのタイプに分類されます。

【 イエベ春 】

イエベ春(スプリングタイプ)の方は、肌は明るく透明感があって黄みを帯び、血色がよく、頬はバラ色です。春のように暖かく明るい色がお似合いで、イエローベースの色(コーラルピンク、クリームイエローなど)が得意な色です。

【 ブルべ夏 】

ブルべ夏(サマータイプ)の方は、肌が明るくきめ細かくて、クマが出やすい傾向があります。日焼けをすると赤くなり、すぐ落ち着きます。明るめの穏やかな中間色(ブルーグリーン、ダスクブルーなど)がお似合いです。

【 イエベ秋 】

イエベ秋(オータムタイプ)の方は、肌は黄みが強く、ほおには赤みがないです。きれいに日焼けする方が多くいます。暖かみのある少しくすんだ色がよく似合います。カーキやテラコッタといったアースカラーはイエベ秋の方の得意な色です。

【 ブルべ冬 】

ブルべ冬(ウインタータイプ)の方は、肌は色白もしくは色黒で、ほおに赤みがありません。クールでかっこいい印象のあるブルべ冬の方には、青やグレーのような寒色で、はっきりとした色味(黒、ルビーレッド、インディゴなど)がお似合いです。

ブルベに合う青色


青色の振袖が似合うのは、ブルーベースの特徴を持つブルべ夏・ブルべ冬の方です。ブルーベースの方は、寒色系の色がよく似合います。特に、紫がかった青はブルべの方の得意な色味です。

❑ ブルベ夏の方におすすめしたい青

ソフトブルー 空色 ラピスラズリ

明るめの紫がかった中間色の青で、ブルべ夏の方の穏やかな雰囲気にお似合いです。

❑ ブルベ冬の方におすすめしたい青

ロイヤルブルー シアン 瑠璃色

紫がかった青の中でも、鮮やかでクリアな色味です。ブルべ冬の方のクールでかっこいい魅力を引き立ててくれるでしょう。

イエベだけど、青色は似合うの?と心配される方の選び方のポイント


❑ イエベ春の方におすすめしたい青

アクアブルー セルリアンブルー 露草色

緑がかった明るくクリアな青色は、爽やかなイメージのイエベ春の方にお試しいただきたい色です。

❑ イエベ秋の方におすすめしたい青

ターコイズブルー ナイルブルー 青碧(せいへき)

緑がかった青の中でも深い色味は、イエベ秋の方の落ち着いた大人っぽい印象を引き立ててくれるでしょう。

5.それでも青系が自分に合っているのか不安な方のために

自分の肌と振袖の青色との間にワンクッション別の色を置くとぐっと馴染みやすくなります。特にパーソナルカラーを顔まわりに置くと、顔色が良くなり明るく見えます。肌なじみのいい色をもってくることで振袖の印象が変わり、似合いやすくなります。

もうワンポイントとして、振袖の地色を別の色にして、青い柄の振袖を選ぶ方法もあります。振袖は、地色に注目しがちですが、柄の印象も強く残るのです。例えば、白地に青い柄が印象的な振袖を選ぶと、青色の振袖を着ている印象を持たせることができます。肌に近い半衿や重ね衿に、肌なじみの良い色をおくとなじみやすくなります。

6.青色と柄とのバランス

青色の振袖は大人っぽく落ち着いた印象に見えるものが多いですが、「落ち着きすぎて地味に見える」のは回避したいところ。そんなとき重要なのは振袖の地色と柄とのバランス。

落ち着きすぎて地味に見える場合、地色に対して柄の範囲が広い振袖や明るい色味の柄が描れた振袖を選ぶと華やかになります。

逆に派手なイメージになってしまったら、地色に対して柄の範囲が少ないものや控えめな色味の柄が入った振袖にするとバランスがとれます。

7.まとめ

定番カラーの赤系がまだまだ多い中、ジワジワと人気上昇中の青系振袖。濃い青から薄い青と、トーン別に全く違った印象を与えてくれる神秘的なカラーなので、色々なテイストのコーディネートがしやすいのも魅力です。ご自身がどんなイメージに仕上げたいのか?かわいい系なのか、大人系なのか、かっこいい系なのか、によって青色系のトーンから決められるのもイメージしやすいですね。

自分にピッタリのブルー探し、楽しんでみてはいかがですか。

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東京都東久留米市にある地域密着型写真館・広映堂スタジオです!このブログではお客様のお写真や新しい衣装や小物などを随時ご紹介しています!

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